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Technologies

多孔性配位高分子 Porous Coordination Polymer(PCP)

多孔性配位高分子(PCP: Porous Coordination Polymer)は、有機金属構造体(MOF: Metal-Organic Framework)とも呼ばれ、金属イオンと有機配位子から構成される、ナノレベルで制御された細孔を有する多孔性材料です。
活性炭やゼオライトなどの従来の多孔性材料と異なり、高い比表面積や構造の柔軟性を有するものも存在します。
これらの特徴を有することから、PCP/MOFは、物質の選択的な分離、大幅な貯蔵効率の向上などをもたらすことを期待されており、非常に幅広い業界、用途への展開が検討されています。

応用事例 Application

  • Storage
    H₂貯蔵、CH₄貯蔵、希ガス貯蔵、C₂H₂貯蔵、ヒートポンプ、DDS、芳香
  • Separation
    CO₂分離、汚染物除去、貴金属回収、大気造水、O₂分離、フロン回収、VOC分離、脱臭
  • Ion transport / conductivity
    Li-ion電池、K/Na-ion電池、次世代キャパシタ、燃料電池
  • Magnetic / electronic properties
    センシング素子、分離効率化、局在化
  • Optical properties
    蛍光素子、太陽電池、光材料、癌治療薬
  • Catalysis
    CO₂還元、アルコール酸化

Atomisの強み Technology Platform

当社は、PCP/MOFの世界的なパイオニアである京都大学の北川進特別教授の研究を基盤としており、現在も北川先生の研究室との関係性をはじめとして、知財面などでも京都大学と強力な連携を維持しています。
加えて、提案力の源泉とも言える材料設計技術、および、大スケールでの材料提供を可能とする量産化技術が当社の強みです。

材料設計技術 Computational Platform

10万種以上からなる独自の構造データベースPOROS™を構築しています。
学術論文に記載されるような理想的な性能のみならず、コストや安定性などのパラメーターも加味することで、より実用的な材料の提案を可能としています。

量産化技術 Industrial-Scale Manufacturing

実用的な製造手法の確立

ラボスケールにおける一般的なPCP/MOFの合成法としてはソルボサーマル法が知られていますが、バッチ効率の悪さ、大量の有機溶剤の使用、また、高温高圧プロセスであるといった点など、スケールアップには多くの課題がありました。
当社ではそのような製造上の課題を解決した複数の独自製法を開発し、2023年に20t/Yの生産能力を有するパイロットプラントを竣工しました。
社会実装に貢献できる供給体制を整えている点は、PCP/MOFのサプライヤーとしての当社の強みであると考えています。