次世代高圧ガス容器CubiTan®の設計開発とその挑戦
2021年入社
物質設計グループ 研究員
Interview
仕事内容を教えてください。
次世代高圧ガス容器CubiTan®の設計開発を担当しています。
その他にも、コンピューターシミュレーションの経験を活かして、目的に応じた最適な材料を設計するための構造データベースの構築にも携わっています。
企業との共同開発にも関わっていますが、グループ単位というよりも、代表と一緒に進めるケースが多いです。
学生時代 / 前職での経験を教えてください。
高等専門学校では化学を専攻していましたが、在学中に趣味の影響で自動車設計に関わる仕事がしたいと考えるようになり、人生が大きく変わりました。化学のバックグラウンドを活かしながら自動車設計に携わるという夢の実現に向けて、大学へ編入・大学院にも進学しました。学部と大学院では実際に、自動車の断熱材、水素タンクのシーリング材、タイヤの機能向上に貢献する高分子物理の研究を行っていました。卒業後は大手自動車メーカーに就職し、生産部門で塗装工程を担当していました。
Atomisに入社を決めた理由はなんですか。
長い間研究に携わっていた分、知識と経験には自信があったため、即戦力として・裁量権を持って働きたいという意気込みがありました。しかし、現実はなかなかそうもいきませんでした。将来性を見据えた長期的なキャリアパスを踏まえた際、しばらくの間は今の状況が続くだろうな、と気づいた瞬間がありました。ゼネラリストとしての視野を広げるためには必要な経験だと理解していますが、同時に個人としての専門性や強みも早期に活かせる道を模索し、最終的に環境を変えることを選びました。
そこで、裁量権を持って働けることを重視してスタートアップ企業を中心に転職活動を始めました。当初は製品メーカー志望でしたが、Atomisを知ったときに、素材系スタートアップでもCubiTan®の事業は直感的に面白そうだな、と興味をそそられました。また、この会社の中で自分のやりたいことがはっきりとイメージできたので、選考段階でしたがAtomisしかないと確信しました。さらに、大学院の研究室では界面に関する研究を行っておりMOFのガス吸着についても知見を応用できることと、当時コンピューターシミュレーションについて知見のある人材を求めており、学生時代の経験が活かせることも大きな理由でした。
社内の雰囲気 / どのような人柄の社員が多いでしょうか。
基本的には静かな人が多いですが、話してみると面白かったり、困ったときは助けてくれるため、居心地はいいと感じています。皆さんそれぞれに専門性の高い分野があるため、こういう事はこの人に聞いたらいいな、というイメージもしやすいです。
また、社内ではないのですが、Atomisに入ってから社外の人との繋がりも増えたため、その道のプロフェッショナルから学べることも多く、成長の糧となっています。
どのような時にやりがいを感じますか。
裁量権が大きいため、プロジェクトや案件の進行を主担当として任せてもらえる環境にやりがいを感じます。
CubiTan®の実証実験に関するインドネシア視察にも行き、今担当しているデータベースの構築も元々会社に知見がある人がいなかったため、好きなようにやらせてもらえました。また、CubiTan®のアプリ開発のためにエンジニアの人員確保が必要となったときにも、率先して人選を行いました。
大企業の場合では、20代でここまで裁量を持って働けることはまずあり得ないことだと思います。
今後の目標を教えてください。
CubiTan®の普及拡大に向けて、インドネシアで成功例を作ることです。東南アジアはガスボンベのニーズが高いため、まずはインドネシアで勝ち筋を見つけた後、それをトレースして東南アジア全体にCubiTan®のネットワークを広げていく、という構想です。
また、これは現在進行形ではありますが、幅広い異分野の企業・機関とのプロジェクトや共同開発を推進することです。素材を作って終わりにするのではなく、素材を活用した新製品を開発して、今はまだ繋がりのない業界にもMOFの可能性を広げていきたいです。
Atomisで働きたいと考える方へのメッセージをお願いします
Atomisはスタートアップ企業であるためにまだ不完全な部分も多い会社です。しかし、自分は不完全な部分があるからこそワクワクするタイプです。
個人のやりたいことを後押ししてくれる分、主体性や責任感を求められる場面は多いですが、だからこそやりがいを感じられるのだと思います。
今の環境が安定していて、完成形ゆえに物足りなさを感じているという人や、勝ち馬に乗るのではなく、勝ち馬を作るという気概のある人にはぴったりの環境ではないでしょうか。
Schedule
8:50
出社
9:00
始業・メールチェック
9:10
評価試験
材料の性能評価試験を行います。合成と性能評価をできるだけ短期間で繰り返すことが、プロジェクトの成功に直結します。実際の使用環境に近い評価をするためには工夫が必要で、自ら装置を組み立てることもあります。
11:00
打ち合わせ
必要に応じて社外の方々と打ち合わせを行います。特にCubiTan®の開発にはMOF以外にも必要となる知見が多いため、様々な分野の専門家の方々と連携しながら開発を進めています。
12:00
昼食
13:00
データ分析
試験データを分析し、材料合成メンバーに共有します。より良い材料の合成方針と性能評価項目をメンバーと共に策定します。
16:00
分子シミュレーション
材料の合成方針の妥当性検証のために分子シミュレーションを活用します。特に、夜間は人間が作業できないため、その間にPCでシミュレーションを行うことで、時間を有効活用して効率的に開発を進めています。
17:00
タスクの整理
デジタルノートに1日の進捗を羅列することで、頭の中を整理します。
18:00
業務終了、帰宅
帰宅後は、中学生の頃からの日課で、ランニングや懸垂など軽い運動をしています。また、CubiTan®のインドネシア事業を円滑に進めるために、英会話学習をしています。